パスカル・シアカムが亡き父に捧げるオールスター

NBAオールスター2020の先発メンバーが発表され、初のオールスター出場、初の先発メンバー入りを果たしたカメルーン出身の25歳の若武者、パスカル・シアカム。昨季にMIPを獲得し、NBA優勝を果たして大ブレイク中のシアカムだが、そこに至るまでに長い道のりがあった。オールスター先発出場について、関係者に「亡き父とこの特別な瞬間を分かち合いたかった」と胸の内を明かした。

引用:Pascal Siakam Twitter

シアカムの父、タクモ・シアカムは、将来NBA選手になってほしいという夢と希望を抱き、4人の息子たちにバスケットボールを教えた。シアカムの3人の兄、ボリスとクリスチャンとジェームスはそれぞれ、NCAAのディビジョンⅠに所属する大学でプレイできたものの、大成はせず。ニューメキシコ州立大学で3年間プレイした後、2016年にドラフト1巡目27位でラプターズに指名されたシアカムだけが、NBAの夢を実現することができた。

しかし、タクモはシアカムがNBAでプレイする姿を見ることはなかった。2014年10月、交通事故に巻き込まれ、他界したのだ。シアカムは、ビザの取得の関係で米国に留まる必要があったため、父の葬儀に参列することができなかった。

そんな辛い経験のあるシアカムは、オールスター先発出場にあたり、以下のような思いを述べている。自身のTwitterのプロフィール文にただ一文「God first.(神様を第一にする)」と書くほど、信仰心の強いシアカムの人柄がよく表れている言葉の数々だ。

なんてクレイジーなことなんだ。ただただ信じられない。これまでの道のりを思い返すと、父のことを思い出さずにはいられない。父は、息子がNBAの舞台でプレイすることを夢見て、待ち望んでいた。NBAでプレイできるよう、息子たちをアメリカに送り、大学でプレイさせた。私が今プレイしているこのレベル、昨季の優勝、オールスターへの先発出場。多くの人が「不可能だ」と思っていたことこそ、父が夢見ていたことだった。今ここに父がいてくれたら…… これまでの人生の中で、たびたび大切な時があったけれど、何か心に満たされないものがあった。しかし今、私が確信しているのは、父は今ここにいて、私のことを見てくれているということ。父が今ここにいることを、確かに感じる。もし、彼と顔と顔を合わせて会うことができるなんていう最高なことがあったら、「あなたのおかげだ。そして、みんなのおかげだ。あなたが心を砕き、熱心に取り組んだことすべてがここにある。そして今、あなたがしてくれたことを、今度はみんなで、最高のレベルでしているよ。

亡き父に捧げるオールスターで、一体どんなプレイをするのか。今から楽しみで仕方ない。

JJ
I Stan Basketball. / Started watching NBA since 2003 / A Big Fan of LeBron & Lakers / An Alumnus of University of Tsukuba / An Editor / A Blogger

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