人の心に寄り添う豪傑、ケビン・ラブ

新型コロナウイルス感染症の流行拡大により、最低30日間のシーズン中断が決定したNBA。そんな非常事態のなか、クリーブランド・キャバリアーズのケビン・ラブは、シーズン中断中にキャバリアーズの本拠地、ロケット・モートゲージ・フィールドハウスで働くスタッフの給与を保証する一助となるようにと、10万ドル(約1,000万円)を寄付した。

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Everyone reacts differently to stressful situations. And the fear and anxiety resulting from the recent outbreak of COVID-19 can be extremely overwhelming. Through the game of basketball, we’ve been able to address major issues and stand together as a progressive league that cares about the players, the fans, and the communities where we work. I’m concerned about the level of anxiety that everyone is feeling and that is why I’m committing $100,000 through the @KevinLoveFund in support of the @Cavs arena and support staff that had a sudden life shift due to the suspension of the NBA season. I hope that during this time of crisis, others will join me in supporting our communities. Pandemics are not just a medical phenomenon. They affect individuals and society on so many levels, with stigma and xenophobia being just two aspects of the impact of a pandemic outbreak. It’s important to know that those with a mental illness may be vulnerable to the effects of widespread panic and threat. Be kind to one another. Be understanding of their fears, regardless if you don’t feel the same. Be safe and make informed decisions during this time. And I encourage everyone to take care of themselves and to reach out to others in need — whether that means supporting your local charities that are canceling events, or checking in on your colleagues and family.

Kevin Love(@kevinlove)がシェアした投稿 –

ラブは、Instagramの投稿のなかで次のように自身の胸の内を語った。

“すべての人は、ストレスのある状況下で、さまざまに反応します。新型コロナウイルス感染症の拡大がもたらす不安や恐れに、われわれは圧倒されてしまいます。バスケットボールの試合を通じて、選手やファン、そしてわれわれが働くコミュニティーを守ってくれる革新的なリーグであるNBAとともに、問題を提起し、それに立ち向かうことができています。私は、すべての人が感じている不安の大きさを心から心配しています。それこそ、今回ケビン・ラブ・ファンドを通じて、NBAのシーズンの中断により突然生活に大きな変化が生じてしまったスタッフたちをサポートするべく10万ドルを寄付した理由です。この危機的状況のなかで、他の誰かが私と同様にわれわれのコミュニティーへのサポートの輪に加わってくれることを願います。

パンデミックはただの医療現象ではなく、さまざまなレベルで個人や社会に影響を与えます。侮辱だったり外国人の排斥だったりといった要素は、パンデミックのもたらす衝撃の2つの側面でしかありません。精神的な病を抱えている人々の心が、パニックや恐怖によって傷つきやすいということを知っておくことは大切です。互いに優しくしましょう。同じように感じなくてもいいんです。そういった人々の恐れを理解しようと心を開きましょう。安全を確保し、十分な情報を得たうえで判断をするようにしましょう。私はすべての人にお願いします。自分自身をしっかりと大切にしながら、イベントがキャンセルになった地元のチャリティーをサポートしたり、同僚や家族を見守ったりすることで、助けを必要としている人々に手を差し伸べましょう。”

ラブの行動に呼応し、キャバリアーズもチームとして、時給制で働くイベントスタッフに対して、すべての試合やイベントが開催された場合と同様に給与を支払うことを発表。一人の勇気と愛のある行動がチームをも巻き込んだ好例ではないだろうか。

ラブは、2018年にパニック発作に陥った過去がある。The Players’ Tribuneに掲載された手記「Everyone Is Going Through Something(誰しもが何かを抱えている)」のなかで、自身の持つ精神的な病について告白していた。その経験を通して、彼は人の気持ちを理解すること、理解しようと努めることの大切さを知った。それを知ったうえで今回のラブの行動の理由や背景について考えると、彼がいかに人の気持ちに寄り添い寄付を行ったのかがよくわかる。心の底からの愛の表現だったのだと思う。

Everyone Is Going Through Something | By Kevin Love

シーズン中断の前代未聞の非常事態にあるNBA。NBA選手は、その絶大な影響力から、公人としての側面がある程度あると思っている。そんななか、NBAによるシーズン中断の発表からわずか1日で10万ドルの寄付を決断・実行するなんて、人としての器の大きさがすごすぎる。ラブほど、自分ではなく人々のために惜しみない愛の施しができるNBA選手はなかなかいないだろう。新型コロナウイルス感染が一日でも早く終息することを祈りつつ、ラブの優しさと愛で満ちた行いと思いが世界中の人々に伝染していくように願うばかり。

引用:「#CavsBulls Game Photos – December 4, 2017」(NBA.com)

JJ
I Stan Basketball. / Started watching NBA since 2003 / A Big Fan of LeBron & Lakers / An Alumnus of University of Tsukuba / An Editor / A Blogger

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