クリス・ポールのレイカーズへの移籍は実現し得るのか?

解説者として活躍するケンドリック・パーキンスからトンデモ発言が飛び出た。「85%の確率でクリス・ポールはレイカーズに移籍する」。トレード市場が解禁される具体的な日程が定かではない今、巷ではレイカーズに関するさまざまな憶測が飛んでいるのは事実だが、パーキンスのこの予測はかなり大胆である印象だ。

「昨季優勝のレイカーズに満を持してクリス・ポールが移籍する」。レイカーズファンにとっては最高のこのシナリオは、実際に実現する可能性は果たして本当にあるのだろうか? 今回はクリス・ポールのレイカーズへの移籍の可能性について、いくつかの観点から考察してみたい。

引用:「Kendrick Perkins thinks Chris Paul will end up with the Lakers this offseason」(SBNATION)

■レイジョン・ロンドのオプトアウトの可能性がもたらすインパクト

レイカーズがクリス・ポール獲得に向けて動くとパーキンスが豪語する理由の一つに、レイジョン・ロンドのオプトアウト(契約破棄)の可能性がある。「プレイオフ・ロンド」と呼ばれ、大舞台でかつての輝きを放ったロンドの経験を買いたいというチームは少なくなく、その筆頭としてレイカーズのライバルであるクリッパーズが有力だと噂されている。

レイカーズにとって、ロンドという優秀な控えの司令塔を失うことはかなり手痛い。もしクリス・ポールがレイカーズに上陸することができれば、ロンドの穴を補って余りある存在になれる。むしろ、レブロン・ジェームスをポイントガードとして据えているレイカーズだが、クリス・ポールを先発させ、レブロンをピュアポジションの3番に置くことができる。その意味では、クリス・ポール獲得は妥当ではあるが、肝心の獲得のために必要な条件をすっ飛ばした議論のように感じる。

■最大のネックは高額なサラリー

しかし、レイカーズの事情がどうであれ、クリス・ポール獲得に向けて大きすぎる障壁がある。それは、高額なサラリーだ。クリス・ポールの向こう2年間のサラリーは文字通り莫大だ。来季は4,135万ドル、来々季は4,421万ドルと法外で、これはレブロンの来季の3,921万ドル、来々季の4,100万ドルをしのぐ

来季のサラリーキャップは約1億900万ドルになると言われている。もし、レイカーズがクリス・ポール獲得に成功したとすると、レブロン・ジェームズ(3,921万ドル)+クリス・ポール(4,135万ドル)=8,056万ドル。つまり、残りの選手を残額の約3,000万ドル以下に抑えなければならない。

これに加え、残留の可能性が濃厚ではあるものの、ロンドと同様にプレイヤーオプションを破棄し、完全FAとなる予定のアンソニー・デイビスとの再契約の問題がある。破棄しなければ来季2,880万ドルを手に入れられるADが、仮に3,000万ドルの契約を結んだとしたら、その時点でレイカーズはラグジュアリー・タックス行きが決定。残りの10選手以上をわずかな金額の契約で済ませるのは、戦力の大幅ダウンは必至。非現実的であることは火を見るより明らかだろう。

■鍵はバイアウトを受け入れられるかどうか

それでも、クリス・ポールのレイカーズへの移籍を何とか実現するとしたら、サンダーとクリス・ポールの間でバイアウトが成立するしか道はないだろう。サンダーの顔、サンダーの魂だったウエストブルックを放出したということは、チームに少なからず再建の意志がある。その再建にあたって、柔軟に人材集めを進めたかったら、高額な契約のポールはどうしても足かせになってくる。

昨季、「プレイオフ出場の可能性は皆無」と言われたサンダーをプレイオフ進出にとどまらずウエスト5位にまで押し上げたポールの求心力・支配力はさすがだったが、いよいよ来季は16年目、来年5月には36歳を迎える大ベテランにとって、もう残された時間はそう長くない。チャンピオンリング獲得のため、「お金を捨てる」という選択肢と向き合わなければならない時が来たと言えるだろう。

■指名権を山ほど持っているサンダーの可能性は無限

JJ個人としては、クリス・ポールのレイカーズ移籍の可能性はかなり低いものと見ており、正直そこまで期待もしていない。ただ、ウエストブルックとクリスポールのトレードもそうだったが、信じられないようなトレードや移籍が起こるのがNBAであり、絶対に起こらないとも言い切れない。これからの動向にしっかり注目しながらも静かに見守ろうと思う。

ちなみに、もう一つ忘れてはならないのは、言い方は悪いかもしれないが、サンダーが指名権を腐るほど持っているという事実だ。昨季開幕前のラッセル・ウエストブルック⇄クリス・ポールの超大型トレードにより、サンダーは指名権をこんなにも保持している。

その点で考えると、サンダーはそのアセットを使ってどんな未来でも作り上げる選択肢と可能性を秘めていると言えるかもしれない。その未来の鍵を握るのは、言うまでもなくGMのサム・プレスティだ。指名権を使って有望な若手を獲得し、長期的にチームを構築するのも一つ。指名権をトレードに活用して即戦力を獲得し、一気に優勝候補に名乗りを上げるのも一つ。どちらのパターンの再建においても、ポールが核になり続けるかどうかは、プレスティのみぞ知る、というところだ。いずれにしても、サンダーには無限の可能性があるのは間違いなさそうだ。

JJ
I Stan Basketball. / Started watching NBA since 2003 / A Big Fan of LeBron & Lakers / An Alumnus of University of Tsukuba / An Editor / A Blogger

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