バブルに関する驚きの事実:「バブルでケガはかなり抑えられていた」

NBAがオーランドで外界から隔離された「バブル」という特殊な環境を作り出し、2019-2020シーズンを再開すると発表した際、多くの選手やコーチ、トレーナーからは「いつも以上にケガが増えるのではないか?」という懸念の声が上がっていた。コロナ禍の状況下で、選手たちは約4カ月間、自宅でトレーニングを自力で行っていたため、多くの選手がシーズン中断中に実践的な練習ができなかった。

チームも、選手が実際に自分でトレーニングをしているかどうかを確認する方法がなかったため、「選手が体調を崩して戻ってくるのではないか」「ケガのリスクが高まったりするのではないか」と心配が尽きなかった。また、複数のトレーナーからは、選手が行う個人によるトレーニングでは、試合で見せるようなプレイを反復練習するのは難しいとの指摘もあった。

しかし、RunRepeat.comのディミトリ・カーシック氏による新しい研究では、NBAバブルの中では「ケガはかなり抑えられていた」という結果が出たのだ。

引用:「Study: There were significantly fewer injuries in NBA bubble」(BASKETBALL NEWS)

バブルでは、89試合のシーディングゲームが行われた。カーシック氏は、その89試合のシーディングゲームにおける負傷者数と、通常のシーズンだった過去5シーズンにおける開幕からの89試合の負傷者数を比較・分析した。

バブルでプレイした選手は、過去5シーズンの平均と比較して、負傷による欠場が28%も少なかった。選手は過去5シーズン、負傷により平均340試合を欠場したが、バブルのシーディングゲームでは平均247試合にまで減少した

負傷による選手の欠場数

引用:「Study: There were significantly fewer injuries in NBA bubble」(BASKETBALL NEWS)

カーシック氏はまた、負傷した選手の平均欠場試合数を見ることで、シーディングゲームにおける負傷の重症度を分析した。バブルで負傷した選手の平均欠場試合数は2.9試合で、過去5シーズンの平均の3.7試合よりも24%も少ない

負傷した選手による欠場試合数

引用:「Study: There were significantly fewer injuries in NBA bubble」(BASKETBALL NEWS)

また、プレイオフでも負傷者は少なかった。実際、カーシック氏は、2020年のプレイオフを「近年のNBAの歴史の中で最もケガの少ないポストシーズンの一つ」と表現した。

過去5年間、ポストシーズンの平均試合数は82試合だったが、今年は83試合が行われており、ケガの情報を比較するのが非常に簡単だ。バブルにおけるプレイオフでは、選手が負傷のために53試合しか欠場していないのに対し、過去5シーズンのポストシーズンでは平均77試合を欠場しており、バブルでは負傷の割合が31%下がったことを意味する

プレイオフにおける負傷による欠場試合数

引用:「Study: There were significantly fewer injuries in NBA bubble」(BASKETBALL NEWS)

プレイオフでの負傷の重症度については、負傷した選手の欠場試合数はバブルの平均でわずか3.8試合だった。これは、過去5年間のポストシーズンの平均の4.2試合と比較して10%の低下を表している

プレイオフにおける負傷した選手による欠場試合数

引用:「Study: There were significantly fewer injuries in NBA bubble」(BASKETBALL NEWS)

この調査からは、いくつかの教訓が得られる。まず第一に、NBAはバブル前に選手のコンディショニングの強度を徐々に上げていったことは評価に値するということ。選手はバブルに入る前に、2週間半にわたってチームの練習施設でトレーニングを行っていた。その後、オーランドに到着し、1週間の隔離期間後、彼らは完全なトレーニングキャンプに加えて1週間のスクリメージを経ることで、全員がシーディングゲームとポストシーズンの準備ができていた。

また、フライト移動がなかったこともケガの減少に一役買った可能性がある。彼らは赤い目でチームのジェット機に飛び乗るようなことはなく、このポストシーズン中にフレッシュさと若返ったような活力でプレイできたと多くの選手が語っている。おそらく、選手が例年よりもしっかり休養を取れていたことは、選手たちの試合のパフォーマンスの改善に貢献した。

一つ確かなことは、アダム・シルバーとNBAは、バブルとそれを取り巻くすべての環境を計画するうえで、素晴らしい仕事をしたということだ。2020-2021シーズンは12月22日に開幕(トレーニングキャンプは12月1日開始)するため、これはかなり短縮されたオフシーズンとなる。つまり、選手が体を休める時間が少なくなり、新たなシーズンにおける選手の負傷、パフォーマンスのいかんに影響を与える可能性があるということだ。

来年は、MLB式の戦い方になりそうではあるものの、通常のホーム&アウェー式で戦われるシーズンになる。バブルの流れそのままに、選手が健康にプレイし続けられるよう願うばかりだ。

JJ
I Stan Basketball. / Started watching NBA since 2003 / A Big Fan of LeBron & Lakers / An Alumnus of University of Tsukuba / An Editor / A Blogger

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