「俺は現代のデニス・ロッドマン」。モントレズ・ハレルがレイカーズにもたらすものとは

FA市場が正式に解禁となった11月21日、ある選手の移籍がNBAファンを震撼させた。その選手は、ロサンゼルス・クリッパーズのPF、モントレズ・ハレルだ。

カワイ・レナード、ポール・ジョージの加入から一気に優勝候補の一角に躍り出たクリッパーズは、レブロン・ジェームス、アンソニー・デイビスを擁するロサンゼルス・レイカーズと西の覇権を争うライバル関係にあった。昨季、ウエスタンカンファレンスのセミファイナルで、クリッパーズがデンバー・ナゲッツに1-3からのまさかのシリーズ逆転負けを喫したためカンファレンスファイナルで直接対峙することはなかったが、来季こそLAダービーでのカンファレンスファイナルを、という思いは多くのファンの中にあったはず。

そんな中、ハレルはレイカーズと2年1,900万ドル(19億円)で契約。周囲の予想や期待を完全に裏切ってみせた。ハレルがどんな背景があって、どんな心情でこの決断に至ったかは現時点では定かではないが、一つ確かなことは、背信行為と批判されることも理解した上でこの決断に至ったハレルは、昨季チャンピオンチームのレイカーズに加わることで本気で優勝を目指しているだろう、ということだ。

何はともあれ、いちレイカーズファンとして彼に言いたい。ようこそ、レイカーズへ。今回は、新しくレイカーズの一員となったハレルが自身についてどう捉えているか、特に、自身をデニス・ロッドマンと比較し、NBAにおいて今どんな存在であると考えているかについて迫りたい。

“3 teams that should pursue Montrezl Harrell in free agency”(FANSIDED)

2015年のドラフトで2巡目32位で指名されNBA入りを果たした26歳のハレルは、年々着実に成長を続けている。ヒューストン・ロケッツがハレルをドラフトした時、ハレルは十分なプレイングタイムを得られなかった。しかしそこから、右肩上がりで平均出場時間を向上させていった。これに伴い、あらゆるスタッツも成長していった。

モントレズ・ハレルはまさにモンスターだ。ハレルは、サイズがそこまで大きくないが、すべてのリバウンドを奪うべく体を張ってゴール下で戦い、彼に匹敵する選手はリーグでも数えるほどしかいないと考えていいほど、粘り強く泥臭くプレイする。また、性格的な特徴でも共通する部分がある。彼らは常にエネルギーに溢れている。確かに、ハレルはロッドマンに比べてコート外では規律正しいように見えるが、しかしコート上では、2人とも自分たちが持っているすべてをコートに捧げる

細かいことを言えば、多少の違いはなくはない。デニス・ロッドマンはディフェンス力がとにかく高く、ハレルが1回もないのに対し、オールディフェンシブファーストチームに7回も名を連ねた。しかし、ハレルは現在までのキャリアで平均12.7点であるのに対し、ロッドマンは平均7.3点でキャリアを終えた。プレイスタイルに近いものを強く感じる2人だが、オフェンス寄りのハレル、ディフェンス寄りのロッドマン、といったところか。それでも、両者がもたらす爆発力と働きの貢献度を考慮すれば、その主張に異論はないだろう。

“Which 2020 team needs Dennis Rodman?”(SLAM PHILIPPINES)

あるインタビューの中で、ハレルはデニス・ロッドマンに対する愛と、2人の間に見る共通点について語っている。

俺は、現代のデニス・ロッドマンだ。本気で。 もう一度言うが、俺は現代のデニス・ロッドマンだ。以上。そう、あのロッドマンだよ。彼のキャリアすべてを見てみるとわかると思う。

モントレズ・ハレル 

パーソナリティーやキャラクターが似ているということ以上に、ロッドマンとハレルは身体的にもほぼマッチしている。ハレルは203cmのセンターフォワードであり、ロッドマンも201cmのセンターフォワードだった。実際は、ハレルはロッドマンほどのリバウンダーではないが、2人のゲームはかなり似ている。その共通点について、ハレルはロッドマンに感謝をしており、「The Last Dance」の放送でハレルのロドマンに対する熱中は加速した。

『The Last Dance』のドキュメンタリーが終わった後も、Twitterで『俺たち2人が何をしたか、しているかについて、もっと称賛されるべきだ』とつぶやいたよ」とハレルは話す。

ハレルは、「泥沼」から抜け出すことができた選手を尊敬していた。「期待されている以上の何かになろうと、一貫して努力し続けている人を尊敬している」。

ただ熱心に働き、ただ競争し、ただそれを追求した人を尊敬している」とハレルは語る。「『叩き上げ』のようなメンタリティーで知られる選手を尊敬しているんだ」。

ロッドマンはすべての対戦相手をイライラさせたリーグでは嫌われ者の部類に入る存在だったかもしれないが、ハレルはそのロッドマンの大胆さに常に尊敬の念を抱いていたという。ロッドマンは、常に自分のことを臆することなく表現することを厭わなかった。「ロッドマン」という名前は、スーパースターだけが受け取ることのできる何かを意味していた。

ロッドマンがジョーダンほど偉大な存在だったとは言わないが、ロッドマンはそのすぐ近くにいたと思う。彼はロッドマン。彼がしたこと、彼が行った場所、彼が現れた場所、それがすべてロッドマンだった」。

もし、ハレルのキャリアが今日終わりを告げたとして、彼のレガシーが「現代のロッドマン」であるなら、彼のキャリアは成功していると言えるだろう。しかし、ハレルは26歳と若く、これからキャリアの最盛期を迎えていく。伸びしろもまだまだ期待できる。来季、新たにレイカーズでそのエナジー溢れるプレイでチームを盛り上げてくれるであろうハレルには、「現代のロッドマン」として、インサイドを制圧する存在になってほしい。

“Lakers’ Updated Roster, Starting Lineup After Montrezl Harrell’s $19M Contract”(Bleacher Report)

JJ
I Stan Basketball. / Started watching NBA since 2003 / A Big Fan of LeBron & Lakers / An Alumnus of University of Tsukuba / An Editor / A Blogger

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