ラプターズのキャンプのロスター20名が確定。渡邊雄太の現在地とこれから

トロント・ラプターズは、2020-2021シーズンのトレーニングキャンプのロスター20名を確定させた。中でも注目なのは、来季がNBA3年目の挑戦となる、エキシビット10契約を結んだ渡邊雄太だ。

ラプターズというチームにおける渡邊の置かれている状況や立ち位置について、現在報道されている内容やスポーツライターの宮地陽子さんがTwitterで発信されている情報も追いながら見ていきたい。

“Meet Yuta Watanabe, the Rising Japanese NBA Star
”(NETSHARK)

■確定したトレーニングキャンプのロスター

2020-2021シーズンのラプターズのトレーニングキャンプのロスター20名は以下の通り。

“Raptors Finalize 2020-2021 Training Camp Roster”(NBA.com)

【プレイヤー】(サラリー順)
※★は全額ギャランティ、☆は部分ギャランティ
・カイル・ラウリー(3,000万ドル)★
・パスカル・シアカム(2,900万ドル)★
・フレッド・バンブリート(2,130万ドル)★
・ノーマン・パウエル(1,090万ドル)★
・アーロン・ベインズ(700万ドル)★
 (サンズから移籍)
・クリス・ブーシェー(650万ドル)★
・パトリック・マコー(400万ドル)★
・OG・アヌノビー(390万ドル)★
・スタンリー・ジョンソン(380万ドル)★
・アレックス・レン(230万ドル)★
 (キングスから移籍)
・マラカイ・フリン(200万ドル)★
 (1巡目29位)
・ディアンドレ・バンブリー(170万ドル)★
 (ホークスから移籍)
・テレンス・デイビス(150万ドル)★
・マット・トーマス(72.5万ドル)☆
計14名

【2ウェイ】
・ジェイレン・ハリス(2巡目59位)
・ポール・ワトソン
計2名

【トレーニングキャンプ/エキシビット10】
・オシェイ・ブリセット
・ヘンリー・エレンソン(ネッツから移籍)
・アリーゼ・ジョンソン(ペイサーズから移籍)
渡邊雄太(グリズリーズから移籍)
計4名

■渡邊の生き残りはかなり厳しい状況


渡邊の立ち位置としては、正直、かなり厳しい。
・2ウェイ契約の2選手(ハリス、ワトソン)
・トレーニングキャンプ招待の2選手(ブリセット、エレンソン)
・エキシビット10契約の2選手(ジョンソン、渡邊)
6人で3つの枠(2ウェイ契約・15人目の本契約)を争うことになる模様。中でもブリセットは複数年契約を結んだとされており、15人目のロスターの有力候補の一人と見られている。

エキシビット10契約である渡邊にとって、彼よりも本契約に近い格上の選手たちを凌駕し、彼らからそのポジションを奪っていく必要がありそうで、キャンプで相当なパフォーマンスを見せなければならない苦しい状況だ。

ちなみに、渡邊が結んだ「エキシビット10」契約は以下の通り。

エキシビット10:開幕前のキャンプ参加を想定した契約形態で、契約期間は1年間。下部Gリーグの傘下チームと契約を結び直して60日連続で所属した場合は、最大50,000ドル(約500万円)を受け取れる。

昨季、馬場雄大がマーベリックスと結んでいたのもエキシビット10契約。あくまでキャンプ参加を前提とした契約のようで、やはり本契約とはかなりの差がある印象だ。

■宮地陽子さんQ&A

スポーツライターの宮地陽子さんが渡邊の現在の状況についてTwitterで展開されていたコミュニケーションから、有益な情報をいくつかピックアップ。

Q. 渡邊選手の立ち位置は如何なものなのでしょうか?

A. キャンプ参加の20人のうち、契約内容的には、ジョンソンと共に一番弱い立場です。地元のメディアたちも、キャンプ後はGリーグ行きになるだろうと予想しています。

補足。Gリーグがバブルで試合をして(正式発表ではないですが、有力開催案)、ラプターズ905がそこに参加するのなら、そちらに行くのは今の渡邊選手にとって悪くない選択肢だと思っています。ベンチ入り13人のところ14番目、15番目でロスター入りしてもNBAでの出番はほとんどないでしょうし。

Q. 正直、ラプターズのこの契約に応じたということは、渡邊は実際あまり評価されていないということですね。(我々の期待値が高すぎるのかもしれませんが)

A. 評価されているかどうかは基準をどこにおくかにもよりますし、20人と限定されたキャンプ招待に入っただけで評価されているとも言えますが、これよりいい契約のオファーはなかったのだろうということは推察できますね。

Q. エグジビット10の契約っぽいとながれていますが、それって去年の馬場雄大選手と一緒ですよね? 馬場選手のときを思い返すと、2way契約よりも立場が弱いような契約だと思ったのですが、本契約につながるのですか?

A. 契約金は2way契約のほうが若干高いので、そういう意味では確かに2wayのほうが上ですね。ただNBAチームからしたらそれほど差があるわけではなく、チームにとって必要だと思われれば、どちらの契約からでも本契約になりますし、2wayとExhibit10の選手がシーズン途中で入れ替わることも普通にあります

■結論:道のりはかなり険しいが、頑張ってほしい!

結局、最終的に至ったのは、ここまで展開してきた内容をすっ飛ばした結論です(笑)。渡邊には、日本バスケ界を代表して、ぜひ頑張ってほしい!

ただ、正直なところ、宮地さんのQ&Aの中でも取り上げられているが、エキシビット10契約よりも良いオファーを出せないという状況にあり、渡邊に対する市場の評価は厳しいものだと推察する。個人的にだが、彼が今後本契約を勝ち取るために必要な成長を遂げられるという意味では、2ウェイ契約のスポットに入るのが最も収まりが良いのではと思う。

ただ、トレーニングキャンプは実力を証明する絶好のチャンス。道のりはかなり険しくとも、キャンプに全力で挑戦してほしい。一バスケファンとして引き続き、渡邊を全力で応援したい。■

JJ
I Stan Basketball. / Started watching NBA since 2003 / A Big Fan of LeBron & Lakers / An Alumnus of University of Tsukuba / An Editor / A Blogger

Similar Articles

Comments

Most Popular

暴かれたロケッツとハーデンの闇

2人のオーナーと4人のヘッドコーチによってたすきをつないできたジェームス・ハーデン時代のヒューストン・ロケッツの文化は、元スタッフによるこの短い言葉に集約されるかもしれない。 「Whatever James wants.(ハーデンが望むことなら何でも叶えよう。)」

NBAキャリア13年のコーリー・ブリュワーが守れなかった現役選手とは?

圧倒的な運動量と粘り強い執拗なディフェンスで、13年にわたりリーグを盛り上げてきたコーリー・ブリュワー。守備の名手である彼が、NBAの現役選手の中で「守れなかった」選手がいた。 今回は、彼の口から語られた「アンストッパブル」な選手のうち5人を取り上げ、彼がその5人に対してアプローチしていた守り方、その時に彼が感じていた心の内側に迫りたい。ブリュワー自身も語っているが、私たちファンは、思っている以上にNBAのスター選手を守ることの難しさを理解していないかもしれない。ブリュワーはその難しさについて非常に巧みに言語化し、中高生がディフェンスを向上させるのに参考にできる要素がたくさんあるように感じた。一流の選手は、平凡な選手よりはるかに多くのことを思考し、科学していることがわかる。このブログを通じて、それを少しでも肌で感じていただけたら幸いだ。

ラプターズのフォワード・渡邊雄太のバスケットボールの旅に後戻りはない

渡邊雄太を理解するために、物語の成り立ちと、彼が受け入れたチャレンジの旅の物語を知らなければならない。 彼は誰も持っていない強い決意を持ってティーンエイジャーとして地球の裏側からやってきた若者だった。10年ほど前に夢を追いかけ渡米した時には、ありえないと思われた夢を持つ少年だった。彼は誰も知らなかった。彼は誰ともコミュニケーションを取れなかった。しかし、彼は恐れなかった。彼は勇敢だった。

「ルーク・ウォルトン・オールスターズ」に渡邊雄太が選出!

ESPNのザック・ロウが毎年選出する、ジャーニーマンやNBAに生き残るべく戦ってきた選手を称える「ルーク・ウォルトン・オールスターズ」。第10回となる2021年、トロント・ラプターズから渡邊雄太選手が選出された。 ザック・ロウによる渡邊選手の紹介部分を抜粋。内容は以下。