ウィザーズは今季、八村塁のスリーポイントに何を期待できるのか?

ウィザーズの躍進の大きな鍵を握る一つは、今年、そして将来的に、八村塁がスリーポイントシューターとして戦えるレベルに成長できるかどうか、ということだ。今季、トレーニングキャンプでの八村のスリーポイントは目を見張るものがあったようで、スリーポイントが彼のキャリアにおける最高の武器の一つとなる可能性がある。

ただ、彼の大学時代、そして昨季のスタッツを改めて見てみると、厳しい現実も見えてくる部分もある。そこで今回は、具体的な数字を見ながら、八村のスリーポイントスキルの過去、現在、未来を考えてみたい。

“What can the Wizards expect from Rui Hachimura’s three-point shooting this season?”(SBNATION)

八村はゴンザガ大で出場した102試合のうち、スリーポイントの試投数は76回のみでNBAに入った。彼のNCAAにおけるシュートはやや行き当たりばったり感のあるものだったが、全体的なサンプルサイズがかなり小さいので、彼のシューティング能力について簡単に結論を出すことは難しい。彼のシューティングにおける長所はミドルレンジとフリースローの手堅さで、短所はフラットな(軌道が低い)シュートと試投数の少なさだ。

ロングレンジのシュートで高い確率を収める力は、現代バスケにおいてますます選手に必要とされるスキルだ。ただ、シュート力が低くても生産的な選手はいる。たとえば、ラッセル・ウエストブルックは多く打つが確率は決して高くないし、ベン・シモンズはそもそも打ちたがらない。ただ、相手チームは外角に脅威がないことに気づくと、ディフェンスで離して守り、ドライビングレーンを封じ、ジャンパーを打たせることでオフェンスを無力化しようとする。それが現代バスケの特徴だ。

八村はまだ、自らオフェンスを作っていくだけの効率的なオプションは多いほうではないかもしれない。ディフェンダーは下がって守るようになり、リングに向かっていくのも難しくなる。効果的なスリーポイントがなければ、彼はミドルレンジのジャンパーを打たざるを得ない。昨季、彼のツーポイントのジャンパーがリーグ平均をわずかに上回っていたのは事実だが、その成功率でいうと1本あたり0.8点にとどまり、リーグ平均の1.05点をわずかに下回る。言い換えれば、彼のミドルレンジのジャンパーがチームのポイントを犠牲にしているとも言えるのだ。

ルーキーとして、彼のスリーポイント成功率は28.7%だったが、試頭数はわずか87回だった。その数字は確かにあまり褒められたものではないが、だからと言って彼が良いスリーポイントシューターになれないと結論づけるには十分ではない。特に、彼はフリースローでは82.9%と高い精度を見せていることを考慮するとなおさらだ。

八村はこのオフの間、スリーポイントを重点的に鍛えてきたという。おそらく昨季よりももっと自信を持ってスリーポイントを打つことができ、その確率も、飛躍的に、とまではいかないだろうが、いくぶんか向上してくるだろう。少なくとも、彼はロングレンジから自然とシュートを打てる存在になれる。それは、ディフェンダーに守り方の的を絞れなくさせ、彼のゲームに多様性をもたらし、それによって彼の全体的な得点効率と生産性が高まってくる可能性があるのだ。

“Basketball: Hachimura earned starting spot: Wizards head coach Brooks”(KYODO NEWS)

ラッセル・ウエストブルックを新たな司令塔に加え、新しく生まれ変わったと言っても過言ではないウィザーズ。ウエストブルックがオクラホマシティー・サンダー時代に成し遂げた、3年連続平均トリプルダブルという快挙を再現できるレベルのパフォーマンスを見せ、アシストの配給先として八村がスリーポイントをより高確率で沈められれば、ウィザーズは相手チームにとって相当厄介な存在になるはずだ。

日本人初となるNBAドラフト1巡目指名プレイヤーである八村の2年目が、ジンクスではなくブレイクの年になるよう、大いに期待したい。■

JJ
I Stan Basketball. / Started watching NBA since 2003 / A Big Fan of LeBron & Lakers / An Alumnus of University of Tsukuba / An Editor / A Blogger

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