コリン・セクストンとダリアス・ガーランドの若きバックコートコンビがキャバリアーズに報いをもたらす日は近い

昨季、クリーブランド・キャバリアーズは、バックコートに22歳のコリン・セクストンと20歳のダリアス・ガーランドというコンビを起用したが、絶賛されることはなかった。しかし、たった1年で、キャバリアーズが誇るこのNBA最年少のバックコートコンビが熱視線を浴びるようになった。この違いは何なのだろうか。

Source: “Young backcourt on the verge of paying off for Cavaliers”(The Undefeated)

私たちはこのコンビがいかにダイナミックであるかに気づいていなかった」と、キャバリアーズのHCであるJB・ビッカースタッフは語った。「彼らは才能に溢れ、相手チームにとっては二重の脅威となる。スコアリングに長け、それにプレイメーカーとしての能力も組み合わせられる彼らの能力は、相手にディフェンスを困難にさせ、逆にチームメイトの仕事を容易にしてくれる」。

セクストンは今季、出場した9試合を通して、平均27.0点、3.7アシスト、1.4スティールを記録しており、スリーポイントは50%で沈めている。かつてのNBAスターでキャブスでもプレイしたドウェイン・ウェイドは、セクストンのプレイに感銘を受け、「このコンビが本領を発揮する姿を見るのが大好きだ。皆、セクストンから目を離さないでくれ」とツイートした。セクストンにとって2週間ぶり、ケビン・デュラント、カイリー・アービング、ジェームス・ハーデンの新生BIG3が初めて揃い踏みとなったブルックリン・ネッツ戦で、セクストンはキャリアハイの42点を奪取。5本のスリーポイントを沈め、またダブルオーバータイムでは15点を奪う獅子奮迅の活躍を見せ、147-135でネッツを降した。

ビッカースタッフHCは、優勝候補とも目される相手に対するセクストンのパフォーマンスを、次のように表現した。

セクストンは、彼を疑う人々に対して、彼が勝負所で決して恐れないことを何度も何度も証明してきた彼はプレッシャーに満ちた瞬間が好きなんだ。私たちのリーグでは、彼が今夜成し遂げたようなことを行える勇気を誰しもが持っているというわけではない。また、彼が今夜成し遂げたようなことを行える能力を誰しもが持っているというわけでもない」。

セクストンは言う。「これは、私が積み上げてきた全てのハードワークの賜物」。

一方、ガーランドは出場した6試合で、平均17.2点、6.3アシスト、3.3リバウンドの好成績を残しつつ、スリーポイントも46.9%で沈めている。7-7とプレイオフ圏内につけているキャバリアーズにとって、セクストンとガーランドを欠いた7試合で2-5と勝ち星に恵まれないことを考えると、チームにおけるガーランドの存在感は大きい。

ビッカースタッフHCは、「セクスランド」の愛称で親しまれているキャブスのスターティングバックコートの活躍ぶりに「非常に興奮している」と語る。

私たちは、彼らの持つ高い能力に、大きな希望と期待を寄せている」とビッカースタッフHCは話す。「この2人はお互いを補完し合っていて、共にプレイするとダイナミックなんだ。彼らは同時にフロアにいないと、彼らはパフォーマンスを下げてしまう。私たちは、彼らが共にプレイすることで見せるダイナミックさに、非常に興奮している。彼らが完全に健康な状態でプレイする時、私たちの期待はより高まるんだ」。

Source: “Young backcourt on the verge of paying off for Cavaliers”(The Undefeated)

今思えば、キャバリアーズがセクストンとガーランドを2年連続でドラフトしたのは、当時はダイナミックというよりも向こう見ずだと見られていた。

実は、セクストンとガーランドは高校時代に対戦したこともあり、親交があった。2016年12月21日、フロリダ州フォートマイヤーズで開催されたカリガン・シティー・オブ・パームズ・クラシックのコンソレーション・チャンピオンシップでは、ガーランド率いるブレントウッド・アカデミー(テネシー州)がセクストン擁するノークロス高校(ジョージア州)を58-56で破った。ガーランドは接戦の末に勝利したが、セクストンのほうが良い結果を残していたと彼は話している。

セクストンは、2018年のNBAドラフトにおいて、1巡目8位指名でキャバリアーズの一員となった。セクストンがチームに加入したのは、レブロン・ジェームスがフランチャイズを4年連続でファイナルへ導き(2016年には優勝を果たした)、FAでロサンゼルス・レイカーズへの移籍を決断した後だった。セクストンは、ルーキーとして平均16.7点を記録し、2019年のNBAオールルーキー・セカンドチームに選出されるなど、キャバリアーズにとってチャレンジングな1年だった2018-19シーズンの中で、おそらく孤高の輝きを放っていた。

ジェームスが去ったことでキャバリアーズへの期待はかなり低くなってしまったものの、セクストンはルーキーでありながらチームのリーダーとなり、ポジティブな手本を示そうとしていた。

私のメンタリティーは、チームの文化を大きく変えること」と セクストンは言う。「自分がやるべきことをやり、手本を示してリードする声の面でもリーダーになることはもちろん、模範を通してリードすること、毎日体育館に最初に入り最後に出ることを徹底する。そして、他の何かを変えることはできないかもしれないが、信頼してくれる仲間がいて、文化を受け入れてくれれば、多くのことは確実に変わっていくと感じている」。

当時懸念されていたのは、翌年2019年のNBAドラフトで、セクストンと同じ背丈でスコアラー気質の、ヴァンダービルト大から1巡目5位でガーランドを指名したことだった。キャバリアーズとNBAのファンの間では、彼らがコンビとしてうまく機能するかどうか疑問視する声がインターネット上で聞かれていた。セクストンによると、彼の周囲にいる人々の中にも、ガーランドの指名に疑問を抱く人がいたという。しかし、セクストンはそれによって混乱したり失望したりするのではなく、ガーランドと共に力を合わせることに興奮していたと強く述べている。

セクストンとガーランドが共にプレイすることを楽観視していた大きな理由は、キャバリアーズのGMであるコビー・アルトマンが、今日のスモールボール全盛のNBAで成功するために2人を売り込んだからだ。

外からの声も上がっていたし、色々な異なる人々から意見を聞いた」とセクストンは漏らす。「しかし私の家族は、ガーランドとのコンビが確実に機能することを知っていた。私たちはまだ若いから、浮き沈みが激しいであろうことも知っていた。だからこそ、『ただポジティブであり続けるんだ。きっと良くなるから』と言われたんだ」。

ガーランドは言う。「キャバリアーズは最初からセクストンと私のバックコートを信じてくれていた」。

セクストンは昨季、全65試合に先発出場し、チームハイの平均20.8点、3.0アシスト、3.1リバウンドを記録した。彼は特にオールスターブレイク後に調子を上げ、平均25.5点、4.2アシスト、1.1スティール、スリーポイントは43.1%を記録した。ガーランドは全59試合に先発出場し、平均12.3点、3.9アシストを記録しました。また、ルーキーの中では新人王を獲得したジャ・モラントに次ぐ2位のアシスト数を記録した。

しかし、セクストンとガーランドは、共にプレイした1,255分でプラスマイナス・レーティングで-259の評価だったことに鑑みると、ペアとしてあまり機能していないようにも見えた。特にディフェンス面では、彼らはデュオとしてリーグで2番目に悪い評価で、179組のデュオの中で178位にランクされていた。懐疑論者たちは、セクストンとガーランドが一緒にフロアにいた時に、キャバリアーズは100ポゼッションあたり10.8点差でアウトスコアされていたので、彼らのように185cmと小柄なバックコートコンビでは小さすぎるのではないかと疑問視していたのだ。

確かに統計は一つの指標にはなるが、セクストンは2020年のオールスターブレイク後、彼とガーランドがコート上でうまく機能するようになり、年齢と経験不足による成長痛が最終的には彼らとフランチャイズの前進に役立つと信じるようになったという。

ひとたび経験を積んだり、うまくプレイできなくなったりすると、自分には何ができて何ができないのかを理解し始めるんだ。しかし、経験を積むためには試合に出なければならない。ベンチに座っているだけでは何の経験も得ることはできないし、なるようにしかならない」とセクストンは言う。

Source: “Young backcourt on the verge of paying off for Cavaliers”(The Undefeated)

パンデミックにより、キャバリアーズは19-46という記録で3月11日に2019-20シーズンの中断に入り、フロリダ州オーランドで開催されるNBAバブルに招待されなかった8チームのうちの1チームとなったことでシーズン終了を余儀なくされた。だから、バブルに参加した22チームにとっては短いオフシーズンだったが、セクストン、ガーランド、そしてキャバリアーズにはチームを再び築き上げるための9カ月間があった。

セクストンはオフシーズンの期間中、「Calm」というアプリを活用してヨガに多く取り組み、メンタルを落ち着かせる術を学んだ。ガーランドはオフシーズンの多くを体育館で過ごし、「私は肉体をより強靭にするべくウエイトにハードに取り組んだ」と語る。さらに、2人は定期的にFaceTimeでバスケットボールや家族、スニーカー、ファッション、ビデオゲームなどへの愛について話し合うことで絆を築き続けていた

昨季も今季も、あちこちのお店に一緒に行った。同じものが好きなんだ。2人とも靴が好きで、服が好きなんだ。だから、私たちは間違いなくたくさんのファッションの会話をしている」。

皆がどうしているか、自分たちの家族がどうしているかを確認するために、私たちは今でも話し合ったり、FaceTimeをしたりしている。私たちは常に連絡を取り合っているよ」。

セクストンは彼ガーランドを「冷静」と表現しているが、ガーランドはもう少しコミカルな見方をしている。「コート上でもコート外でも、彼は本当に面白い。彼は自分で気づいていないかもしれないが、彼はとにかく面白いよ」。

セクストンとガーランドの懸念や疑問は、キャバリアーズのシーズンが始まる際に両者の頭の中にも浮かんでいた。しかしシーズン開幕戦で、121-114でシャーロット・ホーネッツに勝利したことにより、その両方は消え去った。

セクストンはFGを9/16、スリーポイントを3/4本で決め、チームハイの27点を記録した。セクストンは2004-05年シーズンのジェームスに続き、キャバリアーズの選手として開幕から7試合連続で20点以上を記録した選手となった。ガーランドもFGを7/13、スリーポイントを4/8で決め、22点を追加した。セクストンとガーランドを筆頭に、クリーブランドは4-2とシーズンの好スタートを切った。

また、キャバリアーズは最近、22歳のブロックショットを十八番とするセンターのジャレット・アレンをネッツから獲得するなど、若い選手への信頼を示している。そしてセクストンは、ガーランドと共に、いずれキャバリアーズをポストシーズンに再び導き、2人がより大きな成功へと導くために成長していくと考えている

私たちは良いことをしていると感じているし、証明すべきことがたくさんある」とセクストンは言う。「私たちは2人とも、自らに責任感を持って取り組んできた。そして、私はいつも皆が間違っているということを証明するために、責任感を持ってプレイしてきた。だから、今季は私たちにとって良いシーズンになると感じているし、ビッカースタッフHCは、私たちの状態を知っていて、私たちが彼からどのようなエネルギーを必要としているかを知っているように感じている。私とガーランドをチームの中で一番厳しく指導しなければならないことも彼は知っている。私たちが調和することを確実なものにするためにね」。■

JJ
I Stan Basketball. / Started watching NBA since 2003 / A Big Fan of LeBron & Lakers / An Alumnus of University of Tsukuba / An Editor / A Blogger

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