トム・ブレイディーとレブロン・ジェームスがスポーツ界にもたらした新たなGOAT像

トム・ブレイディーはフットボール界のGOATであるジョー・モンタナを越え、レブロン・ジェームスはバスケットボール界のGOATであるマイケル・ジョーダンを越えようとしている。

Source: “How Tom Brady and LeBron James together introduced a new kind of GOAT to the sports world”(CBS Sports)

日曜日の夜、トム・ブレイディーはカンザスシティー・チーフスを撃破し、自身7度目のスーパーボウル制覇を果たした。ブレイディーは、それぞれのスポーツにおいてすべての真のGOATが最も偉大な存在として行わなければならないことを成し遂げた。ブレイディーは、人々がGOATを計算する方法を再定義したのだ。

そうすることで、ブレイディーはNFLの史上最高のクォーターバックとしての自分自身の地位をさらに確固としたものにした。ブレイディーはまた、レブロン・ジェームスが自分自身のスポーツ、つまりバスケットボールで史上最高の選手としてのキャリアを終えるために、新たな道を切り開いたのである。

それはただ、ブレイディーの20年という長きに渡る驚異的な活躍が、2つのチーム、10度のスーパーボウル出場、7度のスーパーボウル優勝に及んだからというわけではない。それはまた、ブレイディーによって追い抜かれたGOAT、ジョー・モンタナと、レブロンによって追い抜かれる可能性のあるGOAT、マイケル・ジョーダンによって作られた「山の頂のステータスには完璧さが必要だ」という概念を消し去ったのだ。

ブレイディーの7つのリングは卓越性の極みであり、それだけで彼の存在を際立たせる。しかし、もし彼が日曜日の夜に負けていたとしたら、もし彼がカンザスシティーとパトリック・マホームズが勝利を収めるのをすぐ側で見ることになっていたとしたら、どうだろうか。それにもかかわらず、どうしてブレイディーのGOATのレジュメを疑うことができただろうか?

ブレイディーが成し遂げた、10度のスーパーボウル出場と、20年間に及びフットボール界で見せた支配。それだけで十分なのだ。3つのスーパーボウルを失ったことが彼を汚すという正当な議論は、もはやない。彼らはその反対を行く。つまり、ブレイディーとレブロンは、スーパーボウルとファイナルという舞台に辿り着くことの残酷なまでの難しさを人々に思い出させ、またそれを何度も何度も何度も実現してみせる類稀な天才であるのだ。何らかの形でブレイディーの輝きを台無しにしようとする競争相手に敗北するケースはない。少なくとも、彼のスポーツでは彼のみが輝いている。

ブレイディーは真のGOATとして、ジョー・モンタナと彼の4勝無敗というスーパーボウルの記録が20年前に作り上げた完璧さの物語を打ち砕いた。そうすることでブレイディーは、長い時間をかけて作り上げられた、フットボールだけにとどまらずスポーツのファンが、あるオールタイムプレイヤーを別のプレイヤーが追い抜いたという評価をどのように行うかを再定義した

ここでのブレイディーとレブロンの間の類似性は深い。両者とも、現実の中で、またスポーツの流行を形成している私たち全員の心の目の中で、ビッグワン(スーパーボウルやファイナル)で優勝を逃したことのないGOATを追い抜かなければならなかった

モンタナのスーパーボウルでの成績は完璧だった。ジョーダンもまた、ファイナルでの成績が6勝無敗と完璧だった。その完璧さによって、ジェームスはしばしばジョーダンを決して追い抜くことはできないとされてきた。その概念は正しくないかもしれないが、深く根づいていた

ブレイディーとジェームスはまた、自分たちを凌駕するような新たなスターと戦かってこなければならなかった。そうして成し遂げた、スーパーボウルとファイナルへの、それぞれ10度の出場だ。そして、それはこれからも続いていくだろう。ブレイディーは、43歳で新たなタイトルを獲得した。レブロンはこの夏、36歳でもう一度優勝する可能性が非常に高い。

“LeBron James continues to expand our concept of excellence”(The Undefeated)

私たちは何十万もの言葉を使い、この2人の選手の戦術の面で極めて優れた才能を解剖することができる。しかし、2人の選手はまた、個々のゲームやシーズン、チャンピオンシップの瞬間だけでは測れない、「耐久性」というGOATのステータスのための新しい要件を築き上げた

2人の選手は、彼らのコーチ、彼らの組織、彼らの精神的な疲労、または彼らの周りで急成長を遂げる若手の存在に関係なく、ゲームにおける彼らの王朝を維持している。日曜日の夜、スポーツ界全体がブレイディーの話題で持ち切りになり、彼に釘づけになった。一方で、ブレイディーの優勝の瞬間に先立って、ドレイモンド・グリーンもレブロンについてTwitterで次のようにつぶやいていた。それは2人に共通する事柄だった。「なぜ(レブロンは)いまだに成長しているんだ…?どうやって?」。

ブレイディーはほとんど反論の余地もなくモンタナを凌駕している。レブロンはまだジョーダンと同じことは成し遂げられていない。しかし再び、ブレイディーの耐久性とこのレベルを維持するために必要な精神的なタフネスという例について考える時、レブロン有利という意見に説得力が生まれる

私たちが思い描いていた「GOATの完璧さ」という考えは、嘘だったのかもしれない。ブレイディーの精神的なタフさは、スポーツ界で最も明確な反証となっている。

私たちは知っている。「ラストダンス」の中のジョーダン自身から、彼はシンプルに、勝利のために必要な精神的負担をに耐え抜けず、毎年毎年優勝するということに執着し切れなかった。彼には休息が必要だった。彼には引退が必要だった。そしてまた引退が必要だった。彼は疲れていた。それで良かったのだ。

しかし、それは完璧ではない。完璧に見えるスターであっても、絶対に欠点がある。よくよく考えてみれば、それはある種、それ自体が敗北である。ブレイディーが成し遂げたように、リングなしで約10年を過ごしたが、年齢を重ねるにつれて優勝を重ねるようになるというためには、不屈の精神が必要だレブロンも同じように、彼がファイナルで敗退したことが彼に対する評価を決めるものではない。ジョーダンとは異なり、彼は彼の戦いのためにまだリーグに残り続けている。

もし今季、レブロンとレイカーズがブレイディーとバックスが成し遂げたことを同じように達成できたら、キングは11回のファイナル進出で5回目の優勝を手中に収めることになる。そして、ブレイディーがもたらしたもの、つまり、GOATがかつての常識を超越してプレイし、チャンピオンシップでの失敗がそのGOATのレガシーにはならない世界で、レブロンがこれからも作り上げていく物語がどこで終わりを告げるのかを、私たちは知ることはできない。■

JJ
I Stan Basketball. / Started watching NBA since 2003 / A Big Fan of LeBron & Lakers / An Alumnus of University of Tsukuba / An Editor / A Blogger

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