ジェームス・ハーデンの後悔と覚悟

ブルックリン・ネッツのジェームス・ハーデンは、ヒューストン・ロケッツからの自身の去り際の悪さを申し訳なく思っている。

Source: “Brooklyn Nets’ James Harden sorry for how Houston Rockets tenure ended”(ESPN)

ハーデンはESPNのレイチェル・ニコルズに、先月の超大型トレードの実現の仕方について、もっとスムーズに進展できたかもしれないのに「立つ鳥跡を濁さず」の逆の終わり方になってしまったことへの謝罪の言葉を残した。

自分が自分ではなくなっていた。あの状況がまったく好きではなかった」。トレードに至るまでの数週間を振り返り、ハーデンは言った。「『ドラマ』とでも何とでも呼んでくれていいんだが、私にとってはネガティブなことだった私はネガティブなエネルギーはまったく好きじゃない。消耗させられた。だから、やむを得ずではあるが、ああなってしまったのが気に入らなかった。よりスムーズに、そしてより簡潔に事を進められたんじゃないかと感じているが、ああなってしまった」。

8年間をタイトルコンテンダーとして過ごしたロケッツを離れるというハーデンの望みは、シーズンに至るまでの数週間、公然の秘密だった。ハーデンは、クラブでマスクなしで過ごしている彼の動画をリーグがレビューし、COVID-19のプロトコルに違反したとして5万ドルの罰金を科せられたところから新たなシーズンが始まっていた。

1月12日。ロケッツがロサンゼルス・レイカーズに完膚なきまでに叩きのめされた後、ハーデンが「今のロケッツは十分ではない。修復できる状況でもない」と発言したことで「その時」を迎えた。ハーデンはその翌日、ネッツにトレードされた。

また、ハーデンは、自らが決してセルフィッシュになろうとはしていなかったこと、フロントオフィスが彼の置かれた状況と彼の望んでいたことを知っていたと話した。

事の顛末について、謝罪したい。しかし、私が行きたかったところに行くためには、私がしなければならなかったことをしなければならなかったと思う」と、ハーデンは語った。「ロケッツは私をどこにでもトレードすることができたが、ロケッツは必ずしもネッツに私をトレードする必要はなかったかもしれない。トレードは正しい形で終わったと思うが、その1カ月、2カ月は好きではなかった」。

■「君がポイントガードで私がシューティングガードだ」

そんなハーデンとネッツのもう一人のスター、カイリー・アービングは、数日前の練習で、チームのポイントガードの役割を誰が担うべきかを決めるべく、簡潔なコミュニケーションを取った。

私は、ハーデンがポイントガードとしての役割を担うことで素晴らしい仕事を果たしていると感じていた」と、ネッツが土曜日の夜にウォリアーズを134-117で降した後にアービングは話した。「私たちはおそらく、4日前くらいにそれを確立した。私はハーデンに向かって言った。『君にポイントガードを任せる。私はシューティングガードに回る』。実にシンプルだった。彼はその責任のコントロールし、素晴らしい仕事を果たしてくれている。それによって、私の仕事はより楽になり、自由にプレイできるようになった。何て贅沢な話だろうね。今後もこれを続けていきたい」。

過去アシスト王を2度獲得しているハーデンは現在、平均11.2アシストを記録しリーグ全体をリードしており(2位はルカ・ドンチッチで9.4アシストと大差をつけている)、このカテゴリーで3度目のリーグトップへの道を進んでいる。

自分のゲームを喜んで称賛してくれ、また犠牲を払う覚悟がある人とプレイするのは楽だし、私自身にとってもそうすることは楽なこと」とアービングは話した。「チームUSAやオールスターなどではなく、勝つために得点やパスではない小さなことや細かなことをコツコツと続け、ハイレベルなグループに溶け込むことができる他の偉大な選手と一緒にプレイするこの機会を、私は待っていたと思う。それが私が集中していることだ」。

“Kyrie Irving to James Harden: ‘You’re the point guard, and I’m going to play shooting guard’”(HoopsHype)

今季、アービングは相変わらず脅威的なスコアラーで、FG%(.525)、FT%(.951)、平均得点(27.6)でキャリアハイを記録している。

ハーデンは、NBAの歴代のユーセージ・パーセント(Usage percent、チームがどれだけその選手を使ったか)で9位(30.57)、ケビン・デュラントは12位(30.12)、アービングは16位(29.28)にランクインしている。しかし、3度の得点王を誇るハーデンは1月下旬にも語っていたように、ネッツに来てプレイメーカーになったことで、自身の得点力が低下することを知っていた。

これまでの8年間、ボールをコントロールし、支配してきた。それが今、全く異なる経験をしていて、それも素晴らしいんだ。コート上で1つのことだけでなくより多くのことができるのはラッキーなこと。楽しいよ」。

ハーデンも、ネッツがウォリアーズに勝利した後、同様の思いを口にした。

私は、このチームには2人の特別なスコアラーがいることを知っていたうえでこのチームに来た」とハーデンは言った。「もちろん、必要なとされる時には得点に絡むが、皆を巻き込みながら、カイリーが欲しいシュートを作り出し、KDが欲しいシュートを作り出しているほうがずっと効率的だよ。その方法がうまく機能しているようだ」。

アービングにとっては、オフザボールでプレイし、プレイメイキングの役割を分担するのは初めてではない。アービングはクリーブランド・キャバリアーズ時代にレブロン・ジェームスと一緒にプレイしていた。キャブスでジェームスと並んでチャンピオンシップを獲得したアービングは、ネッツの才能あるトリオの一員として、また新たなチャンピオンシップを獲得できると信じている。

この数週間前に言ったことの繰り返しにはなると思うが、一日たりとも当たり前のことを当たり前にしてはいけない」とアービングは言った。「今の自分たちの偉大さを当たり前にしたくないし、長期的な目で見て、別の新たなレベルに到達するため、お互いに責任を持っていきたい」。

ネッツは現在、イースタン・カンファレンスの第3シードであり、第1シードのフィラデルフィア・セブンティシクサーズをわずか2.5ゲームで追いかけているところだ。

「今は友情を築いている途中。楽しみながら、支配的な存在になっていきたいね」と、ネッツでBIG3として7試合目を終えた後、アービングは語った。

2月9日、ネッツがチームとして峠を越えたときに何が起こるか、リーグにいるネッツ以外の残りのチームに対してアービングは警告した。

よく聞いてくれ。それが起こるとき、リーグがどうなるかせいぜい気をつけてくれ」。■

JJ
I Stan Basketball. / Started watching NBA since 2003 / A Big Fan of LeBron & Lakers / An Alumnus of University of Tsukuba / An Editor / A Blogger

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