苦難を乗り越え子どもの頃の夢を叶えたジョー・ハリス

ジョー・ハリスがワシントン州シェランの高校を卒業してバージニアに旅立つ時、彼の母親であるアリス・ハリスは、全ての母親がするのと同じように、彼の部屋を掃除した。その時、10歳のジョーが書いたリストが壁に貼られているのを発見した。それは、彼が自分自身の目標を書き記したものだった。

Source: “After a harrowing time, Joe Harris is ready to fulfill his childhood dream”(NetsDaily)

ざっくりまとめると、こんな感じだ。

1. 良いチームメイトであること。
  → チェック完了!

2. 大学の奨学金を得る。
  → チェック完了!

3. NBAでプレイする。
  → チェック完了!

4. 優勝する。
  → ペンを用意しておいたほうが良い?

フォーブス・スポーツ・マネー誌に掲載された記事の中で、マイク・マッツェオ記者は、現在もシェランに住んで仕事をしているジョーの母であるアリス・ハリスがそのリストを発見した瞬間や、母と息子が共有するその他の思い出について書いている。その全てが苦痛を伴わなかったわけではない。

私は、今でも(そのリストの)写真を持っています。彼がバージニアに行った後、彼の部屋を掃除していた時、それを見て涙が出たのを覚えています」とアリスはマッツェオ氏に語っている。

ほとんど全てのことが実現したのは、かなり驚きです。でも、それがジョーなんです。それが彼なんです。それが彼が成し遂げたこと。私たちは常に彼を信じていますし、彼も常に自分自身を信じています。リストの最後の項目にチェックを入れることができたら、とてもクールでしょう。私たち家族全員がそう願っています」。

第2戦、10本中7本のスリーポイントを沈めて25点を挙げたハリスが、ブルックリンのためのトロフィー、そして彼自身のためのリングという最後の目標を追求していることを誰も否定しない。また、彼自身も、自分の信念を全く捨てていない。

If Joe Harris shoots like this every game, the Nets won’t lose”(Yahoo! News)

ハリスと彼の母親は、この2年間でさまざまなことを経験した。彼は再び3ポイントシュートでNBAのトップに立ち、4年7,500万ドルの契約を結び、NBAの正当な優勝候補でスターターを務めているかもしれない。しかし、マッツェオ氏が書いているように、アリスがステージ3の大腸がんと診断された2019年11月からの数カ月間は、苦難を経験した。そして、アリスが治療を受けながらニューヨークに滞在している中、COVID-19が街とブルックリンを激しく襲った。空っぽの通り、鳴り響くサイレン。

アリスは一命を取り留めた。彼女は、ジョーと球団がアリスと彼女への対応のためにできる限りのことをしてくれたと信じている。

彼は、自分の家は十分に広く、自分が面倒を見ると言ってくれました。ネッツの組織は、私がCOVID-19にさらされないよう、安全に過ごせるように支援してくれました。彼らは素晴らしかったんです」。

その後、今度はジョーの祖母が、2度の手術を経て88歳で亡くなった。彼はその時バブルにいて、前年のチャンピオンであるラプターズとネッツが初めて戦っていた。ネッツは、「行ってくるんだ。家族が第一だ」と言ってくれた。祖母の追悼式に出席するため、故郷に戻った。

最終的には、彼の母親は化学療法や放射線治療、長い入院生活を経て回復し、ハリスは契約を手に入れた。

ジョーは、『もっと安くてもプレイするよ。ただただプレイすることが好きなんだ』と言っていた」と、彼の最初のコーチであるジョー・シニアはマッツェオ氏に語っている。「彼はお金を励みになるものとしては見ていない。彼にとってお金はそういったものではなく、自分が努力した結果として得られるものだと考えている。彼は、私たち家族にとても寛大だ。シェラン湖に財団を設立し、地元の子どもたちに毎年2つの奨学金を与えている。彼はこれだけの富と名声を有しているが、与え返すことが大好きなんだ。また、故郷でユースのためのキャンプも開いており、ジョーは毎年夏になると280人の子どもたちを無料で招待している」。

ハリスは、今シーズン前に記念として初めてのタトゥーを入れた。自分の母と祖母をモチーフにしたものだった…

メディアデーでハリスは記者に対して、「母と祖母は、私の人生で最も影響を与えた2人であり、私が見習いたいと思っている人たちであり、私が目覚めた時に大切なことを思い出させてくれる人たちだ」と語った。

それは、2016年6月にハリスが足首の手術を受け、シーズンを終えただけでなく、ドラフトの2巡目指名で入団したチームとのリング獲得のチャンスを失った時の光景とはかけ離れたものだった。マッツェオ氏はその時のことをこう語る。

2016年1月12日、シーズンを終える右足の手術の際の麻酔がほとんど切れていなかったジョーのところに、クリーブランド・キャバリアーズのデビッド・グリフィンGMから電話がかかってきた。かつての2巡目指名選手(2014年)が手術を受けている間に、キャバリアーズは彼をオーランド・マジックにトレードし、マジックはジョーのウェイブすることで話を進めていた。彼のリーグでの将来は突然、岐路に立たされた」。

それは、ネッツの再建が正式に始まってから2日後のことだった。ミハイル・プロホロフ(当時のネッツのオーナー)は、1月10日にライオネル・ホリンズHCを解雇し、ビリー・キングGMと再契約した。その夏、ネッツはこの3年目の選手と契約した。そして、その後のネッツでの歴史が始まった。(同時に、キャバリアーズとマジックの後悔も始まったのだ。)

多くの人が彼を疑い、『NBAでプレイできない』と言っていた彼のような人物が、成功を収め、残りの人生で経済的に報われるのを見るのは、クライアントにとって夢のようなことだ」と、代理人のマーク・バーテルスタインは語っている。「感謝の気持ちと謙虚さ。それが彼なんだ。彼はいつもそうなんだ。彼は私が知る限り、最も純粋な人間の一人だ」。

ネッツと彼の家族もそう思っている。■

Source: “After a harrowing time, Joe Harris is ready to fulfill his childhood dream”(NetsDaily)

JJ
I Stan Basketball. / Started watching NBA since 2003 / A Big Fan of LeBron & Lakers / An Alumnus of University of Tsukuba / An Editor / A Blogger

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